2025年2月、秋田県が高校生向けに配布した冊子「将来、ママにパパになりたいあなたへ~妊娠・出産のリミット~」が、卵子の老化を表現したイラストや文言の一部内容に批判が集中し、大きな話題となっています。
今回は、なぜこの冊子が炎上することになったのか、問題となった具体的な内容や画像、専門家の意見などを詳しくまとめていきたいと思います。
【画像】問題の冊子はどんな内容?
秋田県が2020~2023年度(2021年度を除く)に、県内の高校2年生と全市町村に配布した冊子「将来、ママにパパになりたいあなたへ~妊娠・出産のリミット~」。
一般社団法人日本家族計画協会が2013年に作成した14ページの冊子で、高齢出産のリスクや不妊治療、避妊などについて図解入りで解説しています。
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炎上の原因となった表現とは?
冊子内で特に批判を集めた表現には以下のようなものがありました。
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出典:https://kahoku.news/articles/20250213khn000080.html?format=slide&page=2
・35歳の女性が「えっ 手遅れ!?」と驚くシーン
・しわの寄った卵子に精子が「熟女キラーです!」と迫る表現
・50歳以上の卵子は「閉店」という表現
・男性に対して「脱! 草食化!」と呼びかける内容
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SNSでの批判の声
Xでは以下のような批判の声が相次ぎました。
・「女性を傷つけている」
・「こんな県で産みたくない」
・「公的機関が配布する資料としては不適切」
・「高校生に偏見を植え付けかねない」
特に注目を集めたのが、産婦人科医でテレビコメンテーターの宋美玄さんの投稿です。
「炎上してしかるべき内容。高齢不妊の不安をやゆするような表現を用いて早く産むよう促しており、公に配る物として不適切だ。性教育で生殖の知識が十分伝わってない中で、高校生が偏見を抱きかねない」
作成した側の説明
日本家族計画協会の北村邦夫会長(監修者)は以下のように説明しています。
・あくまで子どもを望む人向けの冊子
・妊娠・出産に関する生物学的な事実を伝えている
・興味を持ってもらうため、くだけた表現を採用
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秋田県の対応
批判を受けて、秋田県は以下のような対応を示しています。
・「細部に配慮が欠け、検討段階で止めるべきだった」と釈明
・「今後は人権や多様性をより考慮した発信の形を考えたい」と表明
・現時点での冊子の回収は行わない方針
専門家の指摘
秋田大病院産科婦人科の藤嶋明子医師は、以下のように指摘しています。
「プレコンセプションケア(PCC)は産ませるための政策ではない。妊娠したくない人も含め、全ての人が望む選択肢をかなえるために必要な知識との考え方が肝心だ」
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まとめ
今回の炎上は、以下のような課題を浮き彫りにしました。
- 科学的知識の伝え方の難しさ
- 公的機関の情報発信における配慮の必要性
- 多様な生き方を尊重することの重要性
今後は、正確な情報を伝えながらも、より慎重な表現方法が求められそうです。
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